品質と素材の性質 – 3D Prints

UVレジン

ここでのUVレジンとは、紫外線のエネルギーに反応して硬化するアクリル樹脂を指します。UVレジンを扱える3Dプリンターの成熟によって、手作業では作ることが困難であった形状や素材や数量での造形が可能になりました。

大変便利なUVレジンですが、いくつか注意すべきことがあります。
まずUVレジンは、硬化前は人体にとって毒性がありますが、硬化すると無毒になります。
当店では、造形物の設計段階から未硬化のレジンが残るような形状をできるだけ避けて、その上でレジンを念入りに二次硬化して作品を完成させます。さらにレジンアレルギーのお客様を想定して、全てのレジン作品に手袋を同封します。

またレジンは硬化して個体樹脂となっても、伝統的に彫刻に使われるガラスや金属ほどの物質的な安定性はありません。
全てのレジンは主に紫外線により変色します。透明色や白色のレジンは特に、その影響が「黄変」として大きく見えやすい傾向にあります。
当店では、変色や経年劣化に強いレジンを選定して作品に使用しています。また可能な限り、表面にUVカットコーティングを施して紫外線による変色を抑えます。
(コーティングしても黄変はします。
(紫外線などによる変色や劣化は、絵画など他のメディアでも生じます。レジン作品だけの性質ではありません。ですので、一般的な美術品と同じ扱いでいいとお考え下さい。

UVカットコーティングには、ラッカー系塗料を使用しています。

取り扱いの注意

レジンの劣化を抑えるための方法は次のようになります。

  1. 強い紫外線を避けてください。
    • 日光が強く当たる場所を避けることをお勧めします。黄変に強いレジンを使用してUVカットコートをしても、太陽には勝てません。
  2. 高温多湿を避けてください。
    • レジンは 50度 程度の気温で軟化します。(高熱対応と表記された作品は除く)
    • どれくらいの低温にまで耐えられるかは、データが無いのでわかりません。
  3. 落下や衝突を避けてください。
    • コーティングが薄い個所は傷つきやすく、細かい個所は割れやすいです。
    • 表面光沢でコーティングが厚い作品の場合は、日常用途でも困らない程度に傷には強くなります。
  4. アルコールなどで拭かないでください。
    • コーティングが剝がれることがあります。

変化は悪か

作者の責任として、破損や劣化、特に透明レジンの扱う場合は黄変について説明しますが、過度に怖がらなくていいと思います。

作品を新品の状態で維持することが最も大事なのであれば、買ってから飾らずに暗所に湿度調整して保管することが最も良い扱い方になります。
しかし作品が数百万円以上で資産として扱いたいのでもなければ、その扱いは本当に最良なのでしょうか?

日常生活の中で作品が活きる環境であれば、普通は紫外線は含まれるのだから変色はしますし、ぶつけて細かい所が割れたり傷がついたりすることはあるでしょう。
そうでなくても全ての物質は変化していて、作品はいつかは壊れます。そういうもののはずです。

作品をどのように扱うかは購入者の自由ですが、作者としては普通に生活の中で使ってもらった方がいいと思っています。

割れた場合

もし作品が割れた場合は、透明な接着剤で接着してください。
どの接着剤が適切化は破損条件によりますが、僕がよく使っているのは以下になります。

多くの場合、UVレジンを接着材のように使うことは不適切です。割れた内部まで紫外線が届かずに表面だけ固まるからです。パーツがくっついたように見えるだけで、すぐに壊れます。
しかし、接着面が小さな細い個所が割れた場合は、例えば細い棒が折れたとして、その断面ではなくて割れた個所の表面をUVレジンでコーティングすることで接着する、というような使い方は有効です。同様に、接着剤で断面を接着した後で、補強のために表面をコーティングすることが有効な場合があります。

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